かがくいひろしの世界展

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開催概要

刊行からわずか15年で、累計発行部数900万部を越える金字塔を打ち立てた絵本「だるまさん」シリーズ。作者・かがくいひろしは50歳にして遅咲きの絵本作家デビューを果たすや、驚異的なスピードで16作品を次々と描きあげ、54歳で世を去りました。その間、わずか4年。まさに彗星のごとく絵本界を駆けぬけた作家でしたが、実は彼が特別支援教育のベテラン教員であったこと、『だるまさんが』をはじめとする絵本が、障がい児教育の現場経験から生み出されたものであることはあまり知られていません。没後初めて彼の軌跡をふりかえる本展では、絵本原画やアイデアノートとともに、教員時代に手がけた教材や人形劇の貴重な記録をひもとき、今この瞬間にも日本中の子ども達を笑顔にし続けているかがくい絵本のルーツに迫ります。

巡回予定

高知県

開催期間 : 2024年4月20日(土)~6月16日(日)

会場 : 香美市立やなせたかし記念館

https://anpanman-museum.net/exhibition/pfeoujkaaeqz4cm1.html

兵庫県

開催期間 : 2024年6月29日(土)~9月1日(日)

会場 : 神戸ファッション美術館

https://www.fashionmuseum.jp

東京都

開催期間 : 2024年9月14日(土)~11月4日(月祝)

会場 : 八王子市夢美術館

https://www.yumebi.com/

宮崎県

開催期間 : 2024年11月16日(土)~2025年1月8日(水)

会場 : みやざきアートセンター

https://miyazaki-ac.com/

福島県

開催期間 : 2025年1月25日(土)~3月9日(日)

会場 : 福島県立美術館

https://art-museum.fcs.ed.jp/

岩手県

開催期間 : 2023年9月30日(土)~12月24日(日)

長野県

開催期間 : 6月15日(木)~9月16日(土)

前期:6月15日(木)~7月30日(月)

後期:8月5日(土)~9月16日(土)

※前期・後期で作品が一部入れ替わります。8月1日(火)~8月4日(金)展示替え休館。

会場 : イルフ童画館

https://www.ilf.jp/exhibition/kagakuihiroshi/

※会期中は、混雑が予想されます。新型コロナウイルス感染症予防対策として、館内での密集を避ける観点から、先着順の整理券配布による入館制限を実施する場合があります。必ずご来館前に会場ホームページをご確認ください。

みどころ

絵本16作品

すべての原画を展示

絵本作家として活動したのはわずか4年だけでしたが、かがくいの中にはアイデアが溢れるほどに詰まっていました。4年間でなんと16作品(没後刊行含む)、驚異的なスピードで描き、世に送り出した絵本は、どれ一つ絶版になることなく、今も読み継がれています。


「だるまさん」シリーズの続編も!

未完作品を一挙公開

「あと3年は(絵本にできる)ネタがあるよ」と語っていたかがくい。だるまさんやまくらのせんにん続編をはじめ、数々のおもしろい構想をラフ・習作としてのこしています。会場でしか目にすることができない未完の絵本の卵たちに、会いに来てください。

未完「だるまさんがころころ」

未完「きみのたびだち」

未完「ふゆのおとずれ」

未完「だるまさんがたべた」

未完「あかりをつけまーす」


絵本のルーツ

〜かがくい先生の横顔、教員時代の資料〜

かがくいは特別支援学校の先生でした。28 年間にわたり、様々な障がいのある子どもたちと過ごすなかで、どうやったら興味をもつか、笑ってくれるか、懸命に考え、工夫を凝らした教材をつくりました。動くものに興味を示す子が多いことに気づき、人形劇も手がけました。

授業のようす

言葉のない子でも笑いだすかがくいの絵本には、障がい児教育の現場で積み上げられた実感や想いが詰まっているのです。展覧会では、奇跡的に残っていた教員時代の資料や映像をひもとき、かがくい先生の横顔と絵本のルーツに迫ります。

卒業生におくる似顔絵

授業でつくった絵本

展覧会では、奇跡的に残っていた教員時代の資料や映像をひもとき、かがくい先生の横顔と絵本のルーツに迫ります。


創作の後景

〜81冊のアイデアノート、家族へのまなざし〜

かがくいは、いつもノートやスケッチブックを持ち歩き、興味を魅かれたものやアイデア、予定や雑記など、何でもメモする人でした。こうしたメモのいくつかを組み合わせ、ラフを描きながら構想を練り、絵本に仕上げていったのです。のこされた81冊のアイデアノートから、かがくいの頭の中をのぞいてみましょう。

撮影:松尾潤

かがくい絵本に出てくるのは、やかん、みみかき、布団、食べ物といった、身のまわりにあるものばかりです。座布団やスリッパを見ていると動き出しちゃう…そんな見立ての面白さが大好きでした。絵を描く場所も、家族が過ごすリビングのすぐ横。かがくいは、ぬくもりに溢れた小さな生活の一間から、日本中の子ども達を笑顔にする絵本を生み出していきました。

撮影:松尾潤

娘のデッサン

妻への誕生日カード

母親の米寿祝につくった紙芝居、妻への誕生日カード


だるまさんと一緒にあそぼう!

映像アトラクション

会場限定で、だるまさんを始めとするかがくい絵本のキャラクター達が登場するアニメーションを公開します。

プロフィール

写真:かがくい ひろし

撮影:大志摩洋一

かがくい ひろし

加岳井広、1955年-2009年
東京都生まれ。1980年、東京学芸大学教育学部美術学科卒業。千葉県下の特別支援学校で28年にわたり教鞭をとる傍ら、人形劇の作演活動や立体作品の制作・発表をおこなう。50歳のとき『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、絵本作家デビュー。以降、2009年に病で急逝するまでの4年間に「だるまさん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ふしぎなでまえ』『みみかきめいじん』(講談社)、『おむすびさんちのたうえのひ』(PHP 研究所)、「まくらのせんにん」シリーズ(佼成出版社)など16冊の絵本をのこす。

手話ガイド

バリアフリーツールのご案内

会場にて、手話動画・テキスト・音声による解説をご利用いただけます。また、ご希望の方に点字の解説パンフレットをお渡しします。詳しくは開催館にお問い合わせ下さい。

特別協力:
加岳井久美子、渡辺直子、加岳井武志/ブロンズ新社、沖本敦子、山崎敬三
協力:
講談社、PHP研究所、佼成出版社、教育画劇、偕成社、玄光社、白泉社/特種東海製紙、絵本ナビ/人形劇団プーク、ロバの音楽座
監修:
水島尚喜(聖心女子大学教授)
クリエイティブデザイン:
柿木原政広(10 inc.)
映像:
べんぴねこ
企画制作:
堀川佳子、文化企画